見えない世界 雑記

生死観と宗教

『おくりびと』というアカデミー賞を受賞した映画があります。
映画では原作者としては書かれていませんが、原作になった本があると知りました。
青木新門著『納棺夫日記』
民俗学に興味があり、アイヌや南国諸島の文化に関する本を読んだりしているのですが、必ずといっていいほど〈生と死〉という価値観に行き当たります。

『納棺夫日記』は納棺夫の視点から生と死が綴られ、後半は仏教を中心とした生死観が書かれています。

人は生まれる時、昔は自宅、今はだいたい病院で生まれます。そこには宗教は関係ありません。
けれど亡くなるときは、必ずと言っていいほど、宗教が絡んできます。信仰していなかったとしても、仏式や神式で葬儀などが行われることがほとんどなのではないでしょうか。

古来、人は宗教ができる前、もっと自然的な生死観を持っており、それによって命を迎えたり、弔ったりしていたんだと思います。
埋葬したり、花を手向けたり、そういった習慣は旧石器時代、きちんとしたお墓がまだなかった時代でもすでにあったようです。

死とは何か。
それを見つめることは生を見つめることなのだと、改めて考えさせられた本でした。
例え宗教を離れたとしても、生を感じる心を忘れなければ真理はいつまでも息づいていくのだろうと感じました。

少し重いテーマになりましたが、秋にぴったりの本でした。

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